平屋と数階建ての違い

地方や郊外にいくと、土地が十分あるので、昔ながらの平屋建築を多く見かけますよね。また築数百年経っていてすでに重要文化財などになっている家は平屋建てが多いですよね。それはなぜでしょう。これほど自然災害が多く、とくに地震被害は尋常ではない日本で、それらの住まいが生き残れたのは、その家が平屋建てであり、昔ながらの藁葺き屋根などで屋根の軽さがあったからと考えます。倒壊する危険性が少なかったのです。

耐震性、そして台風などの耐性を測る尺度として、壁量計算法があります。地震力や風力によって十分な強度を備えているかを測ることができ、平屋の場合は、その数値がかなり低くても大丈夫で、例え屋根に重めの和式瓦や洋式瓦を使用していたとしても、2階建て、3階建てに比べるとまったく少ない壁量でも十分です。

古い日本の家は、台風などの風力、そして地震などの地震力に耐える必要があったのですが、風に対しても平屋のほうが抵抗が少ないのは当然のことです。逆に強風が吹けば飛ぶような重みのない家も問題ですが、長い期間、環境による脅威に耐え抜いた家は、日本の気候に馴染み、実際に様々な工夫が凝らされていたのです。もし水害のない地域で、十分な土地が確保できるなら、平屋建ての家もおすすめです。土地が限られていて、人口が密集している都心部では難しいことではありますが、ヒントになる点は沢山あると思います。より自然に調和し、災害に強い家とはどんなものか考えるキッカケになるでしょう。